言語リハビリについて
ミカタの言語リハビリとは?
当社では一日を通じ、コミュニケーション改善のための言語学習療法を提供しています。
また、同じ障害のお仲間同士が共にリハビリし、悩みを共有することで、
気兼ねなくご自身をさらけ出し、交流を楽しんでいただけるよう、交流機会づくりにも力を入れています。
個別学習課題
文字の読み書き・文章の読み取り・計算等の個人別に合わせたテキストを提供します。
多種多様の教材を用意しています。
言語リハビリテーション
言語機能面の回復にアプローチします。
呼吸や発声の練習、発話練習を行います。言葉を想起して、発話する練習をします。
また、ジェスチャーや文字などの言葉以外の代償手段を取り入れた実践的練習をします。
小さな集団で意思を伝え、会話を楽しむ体験を重ねていきます。
口腔リハビリテーション
口腔機能の維持・向上を目的とした訓練・指導です。
言語聴覚士が目標・計画を立案し、介護職員と共同実施しています。
『脳楽習』を使用してのリハビリテーションが特徴です
『脳楽習』とは、地理・歴史・スポーツ・音楽・文化など多様なジャンルを揃え、
言語障害の重症度に偏らないように難易度にも配慮し作成した、ミカタのオリジナルIT教材です。
文字形式の教材に合わせて、映像表示しビジュアル化したIT教材が365種類。
利用者全員にわかりやすく、見やすく、楽しいものであることを考えて作られたものなので
どのような障害の方にも安心してご案内できます。
この電子教材は、言語リハビリ特化型デイサービス開設時から言語聴覚士が言語療法として、
延べ6万人に提供してきた教材やリハビリ手法に基づいたオリジナルのものです。
医師からも注目されている教材です!
その他にも以下のような内容を実践しています。
・口腔衛生
清潔な口腔(歯・舌等)をめざします
口腔清掃の自立支援、口腔清掃法の指導など
・嚥下・構音
嚥下機能向上・明瞭な発音をめざします
嚥下機能向上練習、構音や発声機能の向上練習、自主練習の立案・指導など
・食事環境の改善
安全な食事ができることをめざします
・摂食機能の状況把握、食事の見守り・指導、食事形態の変更相談など
食べる楽しみを獲得。誤嚥、肺炎、窒息の予防。食事の質と量の維持向上。
低栄養、脱水の予防。口腔内の崩壊(虫歯など)の予防。日常生活動作の維持・向上。
会話がはずみ、笑顔が増えます♪
主な1日の流れ
10:00~ | 健康観察、テキスト学習 テキストは、一人一人の障害状況や取り組みに合わせSTが個別に用意します。 |
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グループ言語リハビリ 障害程度や訓練目標別に、少人数でよりきめ細やかな訓練を行います。 |
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12:00~ | 昼食 栄養バランスに配慮したお弁当です。 |
13:00~ | 体操、全体言語リハビリ お仲間と一緒に訓練に臨むことで、周りの状況を聞いて理解し、行動する力も鍛えていきます。 |
14:40~ | ティータイム リハビリ後はお仲間とゆったりとお茶を飲みながら休憩します。 |
15:15~ | 送迎開始 お帰り支度が済んだら、送迎車でお送りします。 |
*各事業所にて定員や加算状況により時間割やリハビリ内容等に違いがあります。
詳しくは各事業所にお問い合わせください。
言語障害とは?
言語の障害は、見た目にはわかりにくい場合も多く、
言葉が出にくいことを「無口」「無愛想」と誤解されたり、他の病気と間違われたり…。
きちんと理解してもらえないことで、孤独を感じる方が少なくありません。
そのため、「言葉が出なくて恥ずかしい」「話し終えるのを待ってもらえない」と、
自分の意思を伝えることに消極的になってしまいがちです。
そもそも言語障害とは、どのような状態のことを指すのか解説いたします。
ミカタでは、次のような言語障害をお持ちの方を対象としております。
失語症
原因
脳卒中や脳腫瘍、事故などが原因で脳の言語野の損傷により起こる言語の障害です。
損傷部位により、症状が異なることも特徴です。
完治は困難ですが、年単位のリハビリによって回復していきます。
症状
言葉を理解する機能(聞く・読む)、言葉を表出する機能(話す・書く)が障害を受けるため、
言葉による意思の疎通が難しくなります。
<軽度>
日常会話であれば、概ね自分の言いたいことを伝えられる。
<中等度>
日常会話において、一部自力で伝えられるが、聞き手の誘導や推測が必要。
<重度>
自分から話したり書いたりできず、意志疎通困難。
【例】
聞く:
耳は聞こえているのに、聞き取れない
普通の速さでも聞き取れない
長い説明や複数人での会話についていけない
話す:
日常的に使う簡単な言葉が、なかなか思い出せない
たびたび意思とは違う言葉が出てしまう
直前に話した内容を再度言ってしまう
読む:
音読できない
音読できても意味が理解できない
仮名が難しい
書く:
文字が思い出せない、書き誤る、文章が書けない
構音障害(こうおんしょうがい)
原因
発声・発語器官(口唇、舌、顎、声帯など)がマヒしたり、
それらの筋力が低下したりすることにより生じる障害です。
原因は数種類に分類され、症状も異なります。
①運動障害性構音障害
原因:発声発語器官の筋系・神経系の疾患、脳血管障害・脳性麻痺・変性疾患・脳炎・外傷
②器質性構音障害
原因:口唇口蓋裂、手術後の欠損や変形、外傷先天的な形態異常、発声発語器官の構造異常
③機能性構音障害
原因:運動・器質・聴覚に問題がなく不明なことが多い
(言語発達には遅れがないが、発音の誤りが固定化。年齢に比し、発音が著しく未熟。
例:「たかな(魚)」「うちゃぎ(兎)」など)
④聴覚性構音障害
原因:聴覚障害のためにおきる二次障害。言語発達と発音の誤りは軽度難聴からみられる。
後天的な聴覚障害でも、自分の発音がフィードバックできず、発音のゆがみがおきることがある。
症状
声が出にくい。大きな声が出ない。
発音が不明瞭ではっきり話せない。
ボソボソとした話し方になる。
【例】
・発語器官の機能低下の影響により、構音の明瞭度が低下する
「さむいですね」の発音
〜軟口蓋の機能低下・・・「はむいえふえ」鼻音化
〜舌の機能低下・・・「あむいえうえ」子音の母音化
〜口唇の機能低下・・・「さういですね」口唇音の歪み
(長い文体・早口ではより明瞭度が低下)
・声質の変化
〜粗糙性(そぞうせい):ガラガラ声
〜気息性:息漏れの声
〜努力性:苦し気に絞り出す声
〜無力性:弱々しい声
・声の高さと大きさの異常
〜高すぎ
〜低すぎ
〜声量低下
〜音量を小さくできない
高次脳機能障害
原因
脳の損傷により、記憶力、注意力、集中力、意欲、感情などに問題が生じ、
コミュニケーション能力の低下を招くことがあります。
症状
同じ話を何度もくり返す。
ささいなことでも怒りやすくなった。等
認知症機能障害
原因と症状
①アルツハイマー型認知症
脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れます。
脳が委縮し、身体の機能も徐々に失われます。
- 短期記憶の障害から始まる→新しいことが覚えられない・見当識障害
- 被害妄想を持ちやすい→「もの盗られ妄想」が多い
- 聞いて理解する力が低下
- 仮名の理解力は比較的保たれる
②血管性認知症
認知症の約20%を占め、脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害によって起こる認知症です。
損傷部位により症状が違います。
- 右損傷→意欲の低下 無関心
- 左損傷→失語症 失行
- 失語症では一般的に仮名よりも漢字が理解しやすい
③レビー小体型認知症
レビー小体というたんぱく質が脳にたまり、脳が萎縮します。
パーキンソン病に似た症状で、歩行の障害や体の硬さにより転倒しやすくなります。
- 幻視・・・鮮明な人・動物・虫などが見えたり、時に幻聴もあります。
- 認知機能や感情も変動しやすく、症状が変わります。
④前頭側頭型認知症
若い人でも発症する認知症で、前頭葉と側頭葉が委縮します。
ピック病や運動ニューロン疾患型、前頭葉変性症があります。
- 感情、意欲、思考、理性的行動を司る前頭葉委縮→反社会的行動
- 側頭葉の委縮→言語障害
- ピック病→反社会的行動 対人関係のまずさ
- 前頭葉変性症→性格変化、行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害などが緩徐に進行
〜「年齢と共に脳の機能は衰えていく」と以前は言われていましたが、
脳も他の体の部位と同様にリハビリテーションが可能です。
近年進んだ研究の一つに、目的に沿った思考の一時保管場所としての「ワーキングメモリー」があります。
『脳楽習』は言語療法のスペシャリストである言語聴覚士が作成した言語療法オリジナル教材です。
「ワーキングメモリー」の向上・維持を目的要素に加え、言語・学習療法教材集として誕生しました。
『脳楽習』教材は、利用者の能力レベルに合わせた教材選択が可能であり、教材は随時更新されます。
体系的な学習・訓練を促進することができます。
また、『脳楽習』で学習した際の脳血流の変化を、近赤外線光分析法で検証しています。
興味を持って頂ければ幸甚です。〜
順天堂大学医学部リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部長:鈴木康司医師
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